これが最終舞台案。
噴水には階段やらパイプやら穴やら色んなもんがたくさんあります。そーいうのを全部考慮しながら舞台設計をしなきゃいけないのです。想像力がマジで大事。噴水内のパイプとか直前まで失念してた。

見て分かるように、植え込みまたいでるとこから噴水中心まで、すっごいギチギチに敷き詰めて作ってるのね。
まぁ敷き詰めないと穴が出来て危ないんだけど、それにしても余裕のない設計で、本当に出来るかかなり不安でした。
でも「余裕がない」ってのは良く言えば「無駄がない」ってことだから、上手くいけばそれはもう綺麗な舞台が出来上がりますよ。
期待と不安でドキがムネムネですよマジでもぉぉぉおお!!
楽しみ!
さーそれでは今回僕が責任持ってやった舞台組をメインに写真を紹介していこうかね。
これが舞台作りのパーツになる「イントレ」と呼ばれるもの。
建築現場で使われる作業足場と同じものです。
「イントレランス」っていう映画でこの作業足場を初めて撮影用に使ったことから、
それ以降演劇などでこの作業足場が使われるときは「イントレ」という名前で呼ばれることとなったそうです。

細かい豆知識はさておき、今回の舞台組ではこれだけの(まだ右に移ってないイントレがあるけど)イントレを使います。
一個一個はそこそこ軽いので女の子一人でも結構大丈夫。重いやつは重いけど。

今年は九大の方からイントレのレンタル代は出してくれるということで、
出来ることを全部やろうと思って舞台設計した結果、量がハンパないことになりました。
おかげで実行委員のイントレ頭の人を泣かせる羽目に・・・。
ホントごめん。。今年の舞台が出来たのは荒井君のおかげです。。
今度打ち上げの時にでも何かお詫びの品を渡しにいくよ。

今年の舞台は攻める!!
去年までは噴水内にイントレを組むとか絶対ありえないとか言ってて、そーいうもんなのかと思ってたけど、
ダメもとで学務課の人に相談してみたら、タイルの塗装がはがれないように養生しておけば大丈夫だって!
これ聞いたときはマジでテンション上がりまくったよ!

そして設営の時もテンション上がった!
一日目は22時からだったんで、正門前から噴水までイントレを運ぶ作業だけで終わろうかと思ってたけど、
搬入が意外に早く終わって皆もやる気充分だったんで、その日のうちに噴水内に足場は組み上げました。
皆過去にない舞台設営にテンション高めで作業してました。
舞台設営は結局かなり時間かかったから、今思うとあの時テンションでやりきってよかったゎ。。

この写真は2日目の朝の写真。
前日の噴水足場作りに参加してなくて残念がってるやつもいた。
ここが噂の通称「奇跡の設計」。
見よ!この恐ろしいほどのフィット感!!
噴水のパイプに沿わせるようにイントレが建ってる。
これ以上前に行くとパイプに引っかかるし、後ろにいくと噴水の頭に引っかかるっていう、ここしかないポジショニングで筋交(×の形の補強)がビシッとはまってくれた。

ここは元々違う門枠を使う予定だったのに、前日のテンションで友達が確認せずに建ててしまってた。
それに気づいたときは相当腹たったけど、今思えば逆にこの門枠じゃないと他のところでおかしくなってたゎ。
友達の先走り様様。
今回こーいう「予定とは違うけど逆にこっちのが良かった」ってのが多々あった。
ホントついてた。
おかげでかなり順調でした。
ここもかなりギリギリ。
噴水の縁に足が当たってる。
噴水周りは高さが違うところだらけなので、
きちんと測量して、イントレの高さと合わせながら設計を考えなければいけません。

・・・

・・・もーね、、

設計超めんどくさかった。

この辺とか、
きちんと組み上げられるかめちゃくちゃ心配でした。
今回舞台設営で一番怖かったのがこの辺。
これは植込みの向こうのイントレの高さと合わせるために、水平取りながらジャッキベースで高さ調節してるとこ。
このイントレから植え込みの向こう側のイントレまで梁枠を使って足場を飛ばすんですが、
これまたギリギリの長さの梁枠を頼んでて、上手くいくかかなり心配でした。。

でも実際やってみると、梁枠が予想より長めに設定されてて、なんとかなった。
梁枠を付けてるとこも写真撮りたかったけど、一番重要なとこだから指示ばっかしてて撮り忘れた。。
「植込みにイントレ落としたら即弁償、一人5万」みたいな都市伝説があったので、細心の注意を払いながら作業しました。

実際に2002年の舞台では、植込み内にイントレ組むわ、噴水周りを黒布で覆って植込み全部枯らしてしまうわで
公演終わった後、本当に一人5万ずつ払わされたらしい。
問題の舞台はココで写真が見れます。
実際すげぇ。
この写真見て「噴水内にもイントレ組めるんだ!」ってのを知った。
2日目終了。
中央に大階段ができました!
大階段も梁枠のせいで色々あって設計を変えることになって超大変でした。。
その場にいたみんなの助言がなかったらホントにどーしようもなかった。。
こんなページ見てないだろうけど礼を言わせてくれ、ありがとう!
一通り足場が出来た時にはもう22時回ってました。

作業は
9時〜13時、 14時〜19時、 20時〜24時、 24時〜
っていう4つの時間帯でシフトを決めて、舞台班以外は皆で交代交代やってました。
朝は1年生を主体に、夜は3年生を主体にって具合にシフト組みました。
3年生を朝シフトに組んでも「起きられなかった〜」とか言ってどーせ来ないしね。
ダメ人間だらけの3研です。
休憩時間にメシを食ってると、決まってネコが寄ってきます。
メシのためなら舞台上まで上ってきやがる。

こいつは今年5月くらいに芸工内で生まれたネコ。
ちょっと前まで子猫だったのに、最近ではもう立派に普通のネコサイズになってました。
舞台設営3日目の昼飯の写真。
またしてもネコ襲来。
こいつらは人馴れしすぎてて、メシ食ってるとニャーニャー鳴きながら近づいてくる。
「鳴けばメシがもらえる」っていう知恵を身につけてる、こすいネコ。

だけどあんまり調子に乗ってると・・・
怖いお兄さんに捕獲されちゃいますよ。
ネコは首根っこ掴むとホントに力抜けるみたいで
まるで剥製のようにおとなしくなりました。
ネコちゃん超真顔wwww
ここは舞台の向かい側にある音・映像・照明ブース。
左奥にあるのがピンスポ用のブース。
ここに音・映像・照明を操作する卓を置いて、舞台上を見ながらそれぞれ操作します。
ピンスポなんかは2基組んでるから、4mの高さまで上らないといけない。

うちはリハを朝方5時からとかでやるんですが、
舞台上の人は動くからいいけど、
この卓操作の人たちは動かないけどずっといなきゃいけなくて、かなり寒そうだった。高いしね。
舞台設営6日目くらいかな。もう音・照明の仕込みが始まってます。
舞台設営の流れは、

1日目:搬入+花道作り
2日目:舞台の足場を全部作る
3日目:足場上のコンパネ張り + 照明・美術・映像用のパイプの取り付け
4日目:予備日
5日目以降、音・照明・美術仕込み

って感じ。
コンパネってのは上に敷いてる厚さ1cmくらいの板のことね。
これを敷いとかないと、舞台を歩くたびに金属音が鳴って微妙な感じになっちゃう。

舞台自体はこれでほぼ完成。
あとはコンパネの上にパンチと呼ばれる絨毯みたいなものを敷いたら完璧。
横から見るとこんな感じ。植え込みをまたいでいるのだ!すげぇ!!

写真の奥に映ってる多次元ホールでは前夜祭の仕込みが行われています。
うちの学園祭は前夜祭含めて4日間あって、それぞれの日にそれぞれの企画が催しごとをします。スケジュール表

学祭前日の夜には前夜祭(1研企画)が多次元ホールでライブパフォーマンス(ライブハウス系)を、
学祭1日目の夜にはDANPA(4研企画)が多次元でダンスパーティ (クラブみたいな感じ)を、
学祭2日目の昼〜夕方には2研企画が多次元で空間演出 (綺麗な迷路+パフォーマンス)を、
学祭2日目の夜には3研企画が噴水で何やら訳の分からないもの(バカ)を、
学祭3日目の昼にはCBA(元は3研から派生したオシャレ集団)が多次元でファッションエンターテイメントを・・・

ってな感じで、毎日何かしらのイベントを学生たちで提供しているわけです。
その他にも3日間通して大学の庭で行われるライブや、噴水の真横で行われる格闘技研究会のプロレス、そして学園祭自体を管理・サポートしていく実行委員会(5研企画)なんかがあります。
芸工生の半数くらいがほぼ何かしらの企画に関わっていて、皆で作り上げていく学園祭。
それが芸工祭なのだ!
舞台の出来上がっていく過程をgifにしてみた。
最初は足場から、そしてパイプをつけて、コンパネ張って、噴水内に水を入れて、スクリーンを試し張りして、照明つけて、パンチを敷いて、美術取り付けて、、、、
ほぼ出来上がったのがコレだ!!!
2面スクリーンのゴツイ水上神殿!!!!
今回は左右対称のシンメトリーな舞台を作ろうって思ってて、予想通り、いやそれ以上のカッコイイ舞台が出来て大満足!!

これが舞台設営から7日目かな。
イントレ搬入したのが金曜だから、前夜祭が終わって、学祭1日目の朝方の写真。
まだ奥のほうの美術が取り付けられてないけど、前部分はほぼ完成。

舞台もパンチ敷くとずいぶんカッコよくなるな!
このパンチは3研のOBが勤めてる会社の倉庫にあったやつを頂きました。
「うちはパンチは使い捨てだから、欲しかったらあげるからおいでよ」って言われて行ってみると
ホントにものすごい量のパンチが!!色とりどりの選り取りみどり!!
2研の舞台頭の奴と一緒に「コレヤバイ!」を連呼して生ツバ垂らしながら頂きました。
ロッキーさんありがとう!!
横からみるとこんな感じ。
美術頭の奴がマジ頑張ってて、色んな美術に蛍光灯や電球が仕込んであるのだ!!夜につけるとマジで感動もの!
昼間は水のゆらめきが白い部分に反射して超綺麗だった。

3研内でもいくつかの班に分かれてそれぞれ作業をします。「〜〜頭」ってのはその班の責任者ってこと。
舞台班・・・舞台設計、舞台設営の時の指示。
美術班・・・舞台上を飾るための大道具等の制作。
照明班・・・舞台上を照らす照明の種類・配置などを設計。公演当日の照明をつけるタイミングの操作も。
音班・・・舞台上の人の声を拾うためのマイクの配置・公演当日の音量調節等。流す映像のノイズ除去や作曲なども。
映像班・・・舞台上で流す映像の管理。プロジェクターの配置など。
小道具班・・・舞台上に出る人や映像に出る人が使う道具で、買えないような特殊なものを作る。美術班とほぼ兼任。
衣装班・・・舞台上・映像内に出る人の特殊な衣装を作成。
広報班・・・HPやポスター、フライヤーなど、公演を宣伝するための様々なものを作る。

そして予算管理をする会計頭と、予定決めなど全てをまとめる頭・副頭です。あらためて書き出すと結構あるね。
僕はその中で舞台頭と副頭をやってました。舞台は頭としての責任をきっちり果たせたと思うけど、副頭は・・・
どこがどうすごいかってのが分からない人のために。
例年の噴水企画は噴水の縁に沿わせるように舞台を作ってたのね。
でも今年はその枠をぶちやぶって
植え込み超えるわ噴水内に足場組むわでかなりブッ飛んでる。

さらに舞台美術も美術班が頑張ってて、
例年布で済ませてたところを、ダンパネや電球仕込みの大道具も投入してかなりのこだわっているのだ!
会計頭の奴がたくさんお金もらってきてくれたおかげです。ありがとう!

ただ唯一心残りが、舞台の高さ。
今年は「大階段」や「噴水に飛び込む」ことを考えて、一番下の足場は結構低めに作ったんです。(2006年の舞台中央に座ってる人の高さにした)
そのせいで舞台上に人が出ても、観客と同じ目線の高さくらいになって
ちょっとインパクトに欠ける気がした。
来年の舞台はその辺気をつけて作ってもらおう。次期舞台頭に伝えなきゃ。
ここがエントランス。
このものすごい達筆もOBのロッキーさん筆。お世話になりました。

これは舞台設営8日目。
うちの本公演当日の朝の写真。美術の取り付けもあとちょっと。
皆リハの後でほとんど寝てないのに頑張ってます。

ちなみに花道の先っぽでワイヤーアクションの仕込みに四苦八苦してる茶色い方が僕です。
ビニール紐でやる予定だったけどあまりに失敗しまくって、
結局この後、ナフコにホントにワイヤーを買いにいくことに。
そして仕込みに時間がかかり、結局寝ずに本番を迎えるという最悪さ。
セリフ覚えてないのにヤバイってーーーー!!
舞台上ですごい格好で寝る我らが教祖様。これでも1年生。
確かに黒パンチの上はポカポカして気持ちいいけど、その寝方はねーよwww

こいつも一年生なのにほぼ毎日作業部屋に泊まって、遅くまで作業を手伝ってくれた一人。
初見で勝手にメシア(救世主)ってあだ名つけたけど、ホントに皆を救済してくれました。
ありがとう。安らかにおやすみ。
そしてこれが本番1週間前の我が作業部屋。カオス。
大道具が多すぎてマジで足の踏み場がない。
こんなとこで寝食をしていたんだよな・・・よーやるゎ。。。
これが皆の魂のこもった噴水獣のキグルミだぁぁあぁ!
噴水獣が何か知らない人はHPの説明を読むべし。
よく読めば「噴水獣」って言葉があるから。

頭の部分は発泡スチロールを重ねて、カッターでひたすら丸く削り、
身体の部分はワイヤーフレームでメタボリック症候群よろしく、まんまるく形とって布を張って作ってます。
キグルミ担当者がCAD使ってかなり綿密に設計して、中の人に優しく作ってます。
中の人なんていないけどね☆ 例えばの話な♪
そしてこれが完成した噴水獣!超カワイイ!!
ただ頭の頂点に布の継ぎ目があるからスカーフェイスみたいで凄みがある。。
学祭期間中は前夜祭に出演したり、いろんなとこ歩き回って広報活動したりと引っ張りだこでした。
カワイイからな!

キグルミの右にあるのが宗教画と玉座である黄金のウォシュレット。
どっちもかなりのハイクォリティ。今年の美術班は出来る奴が多くて良かった。
以上が準備編。
ここからは本番の風景をお届けします。

本番編へ。